フィナステリドは妊活中でも使える?妊活に与える影響や妊活中におすすめの治療法を解説
目次
フィナステリドはAGA治療薬として広く用いられていますが、妊活に影響があると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
AGA治療薬として効果が認められているフィナステリドですが、薬である以上は副作用のリスクがあります。
安全性が高いとされているものの、妊活中の方にとっては特に注意が必要です。
今回の記事では、フィナステリドが妊活に与える影響や注意点などを詳しく解説していきます。
AGA治療と妊活を並行して進めようと考えている方にとって必見の内容なので、ぜひ最後まで目を通してください!
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フィナステリドは妊活中の男性でも使える
結論から言うと、フィナステリドは妊活中でも飲める薬です。
フィナステリドは比較的副作用が少ない薬とされており、妊活中の男性でも服用の継続に問題はありません。
製薬会社MSDの調査によると、1日1回フィナステリドを6週間服用した場合、精液中に溶け出す量は0.00076%と非常に微量で、赤ちゃんの健康的な発育に影響を与えない量とされています。
ただし、フィナステリドが妊活中の男性に全く影響を与えないわけではありません。
次の章では、フィナステリドが妊活中の男性に与える影響を解説していきます。
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妊活中の男性が注意すべきフィナステリドの副作用3選
AGA治療薬は、薬である以上副作用が出る恐れは避けられません。
フィナステリドも同様です。
特にフィナステリドは、妊活中の男性やパートナーの方が知っておくべき副作用もあります。
以下の3点を見てください。
- ED(勃起不全)
- 性欲の減退
- 精子量の減少や運動量の低下
こうした副作用が現れるのは非常にまれで過度な心配はいりませんが、妊活中の方は覚えておきましょう。
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①ED(勃起不全)
フィナステリドの副作用として、ED(勃起不全)が報告されています。
フィナステリドがEDを引き起こすメカニズムは完全には解明されていませんが、フィナステリドが男性ホルモンの分泌に影響を与える点が一因という考えが多いです。
具体的には男性ホルモンが不足することで勃起を促す機能が低下し、EDを引き起こします。
EDが発生すると男性器の挿入や射精がスムーズにできなくなり、妊活に悪影響を与える場合があります。
発生頻度は1パーセント未満と低いものの、妊活中の男性がプロペシアを服用する際は、医師やパートナーの方とも相談しましょう。
②性欲の減退
フィナステリドは、副作用が現れる確率が低い薬です。
その中で最も発現率が高いのが性欲減退で、1〜5%の確率で発生します。
妊娠を成功させるためには、女性の排卵日に合わせてた婦生活が重要です。
いわゆる「タイミング法」と呼ばれる方法で、男性は女性の排卵日に合わせて準備を整える必要があります。
フィナステリドの服用により性欲減退の副作用が現れると、最適なタイミングでの性交渉が難しくなる可能性があるので注意しましょう。
とはいえ、先ほども解説した通り性欲減退の発現率は1~5%程度なので、過度に心配する必要はありません。
③精子量の減少や運動量の低下
フィナステリドの副作用として、精子量の減少や運動量の低下が報告されています。
フィナステリドは、男性ホルモンの一部であるジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する効果がありますが、この作用が精子の生産や品質に影響を及ぼす場合があります。
精子の量や運動量が減少すると受精の成功率が低下するため、妊活にも悪影響です。
フィナステリドを服用している男性は精子の質や量について定期的に医師と相談し、必要に応じて適切な対策を講じましょう。
ただし他の副作用と同様に発現率は低く、1パーセント未満とされています。
妊活中の女性はフィナステリドを使えない!
上で解説したように、フィナステリドが妊活中の男性に影響を与える可能性は少ないです。
ただし、女性の場合には注意が必要です。
フィナステリドの有効性と安全性は男性にのみ確認されており、女性の使用は認められていません。
薄毛予防のための服用はもちろん、薬に触れるのも厳禁です。
フィナステリドの主成分は皮膚から吸収されるため、女性の接触自体がリスクとなります。
フィナステリドは薄毛の原因となる男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)を抑制する薬です。
男性ホルモンは女性の体内にも存在しますが、その量は男性の約1/10と微量のため、フィナステリドの影響でホルモンバランスが崩れる恐れがあります。
さらに、ジヒドロテストステロンは男性の生殖器の形成に重要な役割を果たしています。
妊娠中の女性がフィナステリドを服用すると、男性胎児の生殖器に悪影響を及ぼす可能性も無視できません。
このような理由から、女性はフィナステリドに触れないように取り扱いに十分な注意が必要です。
妊活中の男性がフィナステリドを使う上での注意点3選
妊活中の男性がフィナステリドを使う上では、押さえておくべき注意点もあります。
以下に挙げた3点を見てください。
- パートナーとよく話し合う
- フィナステリドを個人輸入しない
- 女性が触れないように管理する
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①パートナーとよく話し合う
妊活中の男性がフィナステリドを服用する場合、パートナーとの話し合いが重要です。
フィナステリドには性欲減退や精子の質に影響を与える可能性があるため、パートナーがこれらの副作用について理解し、共に対策を考える必要があります。
妊娠を目指す過程では身体的な準備だけでなく、精神的なサポートも大切です。
パートナーとオープンにコミュニケーションを取ってお互いの状態や気持ちを共有し、妊娠に向けた最善の方法を一緒に模索しましょう。
こうした話し合いを意識することでお互いの信頼関係を深め、妊娠に向けて一致団結して取り組みやすくなります。
②フィナステリドを個人輸入しない
フィナステリドを安価に手に入れようと海外の個人輸入を考える方もいますが、非常にリスキーで避けるべきです。
個人輸入された薬は品質管理が不十分で偽物や有効成分が不明なものが多く含まれている可能性があり、健康被害が発生するリスクが高まります。
特に妊活中の男性は、安全性を最優先に考えなければなりません。
信頼できる医師の処方に基づいて正規のフィナステリドを使用することで、健康リスクを最小限に抑えられます。
また医師の監督下で服用することで、定期的なチェックや相談が可能となり、副作用やその他の問題にも迅速に対応できます。
安全な環境で治療を続けるためには、医師の指導を仰いでください。
③女性が触れないように管理する
フィナステリドは、女性に対して特に妊娠中や授乳中に悪影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意を払って管理する必要があります。
フィナステリドの主成分は皮膚からも吸収されるため、女性が誤って触れるだけでも危険です。
薬を保管する場所はしっかりと管理し、子供や女性が簡単に触れられない場所に保管しましょう。
特に妊娠中のパートナーがいる場合は、二重に注意が必要です。
薬を取り扱う際には手袋を使用するなどの対策を講じるとともに、服用後はしっかり手を洗うなどして、パートナーの皮膚にフィナステリドの成分が付着しないよう、十分に注意してください。
パートナーと協力して薬の取り扱いを徹底し、事故を防ぐための体制を整える意識が大切です。
これらの注意点を守りながらフィナステリドを安全に使用することで、妊活中の男性も安心して治療を続けられます。
妊活中の男性におすすめのAGA治療法4選
フィナステリドが妊活に影響を与える可能性は少ないですが、より妊活に影響の少ないAGA治療法もあります。
AGA治療はフィナステリドの服用だけではありません。
以下に挙げた方法も参考にしつつ、医師とも相談しながら最適な治療法を模索しましょう。
- ミノキシジルの外用薬
- PRP療法(多血小板血漿療法)
- メソセラピー
- 自毛植毛
上に挙げた治療法はこちらの記事でも詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
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①ミノキシジルの外用薬
ミノキシジルは、フィナステリド同様AGA治療に広く用いられている薬です。
主な作用は血管拡張による頭皮の血流の促進で、毛根に必要な栄養素と酸素が効果的に供給され、毛髪の成長を促進します。
外用薬としても使用されるため全身への影響が少なく、副作用のリスクも低いです。
妊活中の男性にも比較的安全に使用できる治療法で、性欲減退や精子の質への影響もほとんどありません。
そのため、妊活を計画している男性でも安心して継続できます。
②PRP療法(多血小板血漿療法)
PRP療法(多血小板血漿療法)は、患者自身の血液を利用した自然な発毛治療法です。
この治療法ではまず患者の血液を採取し、遠心分離機を使って血小板が豊富に含まれるプラズマを抽出します。
このプラズマを「PRP(Platelet-Rich Plasma)」と呼び、これを薄毛が気になる頭皮に直接注入します。
自分の血液を使用するためアレルギー反応や副作用のリスクが低く、性機能障害の心配もありません。
化学物質や人工成分を使用しないため、自然な治療法として注目されています。
③メソセラピー
メソセラピーは、髪の成長に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸、ヒアルロン酸などの栄養成分を直接頭皮に注入する治療法です。
頭皮に注入された薬剤が直接毛根に届き、効率的に発毛を促進します。
内服薬と異なり全身への影響が少ないため、妊活中でも安心して治療を続けられます。
また治療期間が比較的短く効果が早く現れるケースが多いため、薄毛改善の即効性も期待できます。
④自毛植毛
自毛植毛も、妊活中の男性に適した治療法です。
自毛植毛は自分自身の後頭部や側頭部から健康な毛髪を採取し、薄毛部分に移植する方法です。
自分の毛髪を使用するため、拒絶反応やアレルギーのリスクがほとんどありません。
また一度移植された毛髪は通常永続的に成長し続けるため、長期的な解決策としても効果的です。
内服薬を避けたい場合や、副作用のリスクを最小限に抑えたい場合は、自毛植毛も治療の候補にいれましょう。
妊活中のフィナステリドについてよくある質問3選
最後に、妊活中の方がフィナステリドを使う上でよくある質問をQ&A形式で解説します。
今回はよくある質問のなかから以下の3項目を厳選しました。
- フィナステリドを飲んでいるパートナーと妊活中にキスしても大丈夫?
- フィナステリド以外に妊活に影響を与えるAGA治療薬はある?
- AGA治療ではフィナステリドはどう作用するの?
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Q.フィナステリドを飲んでいるパートナーと妊活中にキスしても大丈夫?
A.大丈夫です。
フィナステリドの影響が精液に含まれるのはごく微量で、妊活に影響を与えないとされています。
同様に、唾液についても心配は不要です。
フィナステリドを服用している人とキスをしても、将来生まれてくる子供に影響が出ることは考えにくいです。
Q.フィナステリド以外に妊活に影響を与えるAGA治療薬はある?
A.デュタステリドが挙げられます。
デュタステリドはフィナステリドと同様に、AGAの原因であるDHTの合成を強力に抑制する薬です。
そのため男性ホルモンの分泌量に影響を与え、性欲減退、ED、精液量減少などの副作用が発生する可能性があります。
デュタステリドはフィナステリドよりも体内に留まる時間が長いため、服用を中止した後も薬の影響が完全に消えるまでに時間がかかります。
Q.AGA治療ではフィナステリドはどう作用するの?
A.男性ホルモンの働きに作用します。
フィナステリドは5αリダクターゼという酵素の働きを抑えることで、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を防ぎます。
髪の成長を妨げる原因となるDHTを減らすことで髪の成長サイクルを正常に戻し、抜け毛を減らす仕組みです。
もともとは前立腺肥大症の治療薬でしたが髪が生える効果が見られたため、育毛薬としても使われるようになりました。
フィナステリドは妊活中の男性は使えるが女性は使えない
今回は、フィナステリドが妊活中の男性に及ぼす影響にスポットをあてて解説しました。
フィナステリドには副作用として、性欲の減退やED、精子量の減少などが挙げられます。
妊活中の方にとっては不安な副作用ですが、発現率は非常に低いため過度に恐れる必要はありません。
ただし、妊活中であるか否かにかかわらず、女性は服用できません。
さらに、女性の場合はフィナステリドに触れることさえ妊活に悪影響を及ぼす恐れがあります。
妊活中の男性がフィナステリドを服用する場合、パートナーの方と保管場所や保管方法について十分に話し合いましょう。
また、フィナステリド以外にもAGA治療法はたくさんあります。
自分に合った治療法を医師と相談して、AGA治療と妊活の両立を目指しましょう。