フィナステリドの服用で起こる初期脱毛の症状や期間を解説
目次
フィナステリドの服用を始めてしばらくたつと、「初期脱毛」と呼ばれる症状が現れる場合があります。
AGA治療を始めたばかりのタイミングで初期脱毛が起こり、このままAGA治療を続けて良いのか不安になってしまった方もいるのではないでしょうか。
初期脱毛は多くの方に見られる症状で、珍しいものではありません。
とはいえ、いつまで初期脱毛が続くのか、なぜ初期脱毛が起こるのかといったことがわからないと、安心して AGA 治療が続けられませんよね。
今回はフィナステリドの服用で多く見られる初期脱毛について、発生のメカニズムや続く期間などを詳しく解説します。
この記事を読めば、初期脱毛が消して怖いものではないことがわかるはずです。
ぜひ最後までチェックして、初期脱毛への不安を解消しましょう。
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フィナステリド服用開始後に起こる初期脱毛とは
フィナステリドの服用後、以前よりも抜け毛が増える場合があります。
この現象が「初期脱毛」です。
初期脱毛はフィナステリドを服用した方が多く経験する症状ですが、不安になる必要はありません。
むしろAGA治療がうまくいっている証拠と考えて、そのまま治療を継続すべきです。
後ほど初期脱毛が起こるメカニズムを解説するので、よくチェックしてください。
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AGAが起こるメカニズム
初期脱毛への理解を深めるには、AGA が起こるメカニズムをおさらいする必要があります。
AGAが起こる大きな原因は、ヘアサイクルの乱れです。
ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3つに大別でき、以下の表の様に「髪の毛が成長した後成長が止まり、髪の毛が抜ける」という流れを繰り返しています。
| 成長期 | 髪の毛が活発に伸びる時期で、通常2～6年続く。毛母細胞が分裂を繰り返し、新しい髪の毛がどんどん伸びる。健康な髪の毛の約85～90%が成長期にある。 |
| 退行期 | 毛母細胞の分裂が減少して髪の成長が止まる。毛根が縮小し、毛髪が抜ける準備を始める時期。2～3週間続く |
| 休止期 | 毛根が休息状態に入り、新しい毛が生え始める準備をする時期。休止期が終わると古い毛が抜け落ち、新しい毛が成長期に入る。3～4か月続く。 |
ヘアサイクルの中で最も重要な成長期が大幅に短くなると髪の毛は細くなり、産毛のような状態になります。
通常のサイクルで生える髪と比べると、明らかに細くなり、見た目でも髪が薄くなって頭皮が透けて見えるケースもしばしばです。
こうした細く弱い髪は「弱毛（じゃくもう）」と呼ばれます。
AGAを発症していると成長期が極端に短くなり、弱毛が多くなります。
結果として、本来なら成長期に太く長く育つはずの髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちるという乱れたヘアサイクルが繰り返されるのが、AGAのメカニズムです。
フィナステリドで初期脱毛が起こるメカニズム
上で解説したように、ヘアサイクルが乱れると薄毛に繋がります。
初期脱毛は、こうした乱れたヘアサイクルが正常にもどりつつある証拠なので、心配する必要はありません。
フィナステリドは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの生成を抑制します。
ヘアサイクルを乱し成長期を短縮させるDHTを抑えることで、ヘアサイクルが正常化する仕組みです。
この過程で今まで短い成長期にいた髪の毛が一度抜け落ち、新しい成長期に移行します。
これが初期脱毛です。
初期脱毛は、新しくより強く健康な髪の毛が生える準備段階として起こる現象です。
古く弱った髪の毛が抜け落ちることで、新しい成長期に入った髪の毛が正常に成長するスペースを確保します。
初期脱毛はヘアサイクルが正常に戻りつつある証拠なので、途中で治療をやめないよう注意しましょう。
フィナステリドの初期脱毛が続く期間
フィナステリドによる初期脱毛は服用開始から1〜2カ月後に始まり、多くの人は3〜6カ月ほど続く場合が多いです。
ただしこの期間はあくまで目安で、個人差があります。
初期脱毛の期間は、薄毛の進行度合いや年齢、生活習慣などによって異なります。
例えば若くてAGAの進行が軽度の人は初期脱毛の期間が短く、回復も早い場合が多いです。
一方高齢でAGAが進行している人は初期脱毛の期間が長引き、回復に時間がかかるケースがあります。
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フィナステリドで初期脱毛が起きた時の対処法4選
では、実際にフィナステリドの服用で初期脱毛が起きてしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。
ここでは実践したい対処法として、以下の4点を解説します。
- フィナステリドの服用を継続する
- 生活習慣を改善する
- ヘアスタイルを工夫する
- 髪の毛や頭皮を触らない
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①フィナステリドの服用を継続する
フィナステリドの服用を開始して抜け毛が増えたとしても、自分の判断で治療を中止するのは避けるべきです。
フィナステリドによる初期脱毛は、薬の効果が現れている証拠です。
AGA治療の効果を実感するには、半年から1年ほどの期間が必要な場合が多いため、初期脱毛を理由に治療を中断すると時間と費用が無駄になります。
AGAは進行性の脱毛症であるため、初期脱毛で治療をやめると薄毛が再び進行し、再度治療を始めるとまた初期脱毛が起こる可能性があります。
②生活習慣を改善する
AGAは主に遺伝によって引き起こされる脱毛症ですが、睡眠不足や栄養バランスの悪い食事など、生活習慣の乱れによって症状が悪化する可能性があります。
フィナステリドは初期脱毛のリスクがそれほど高くない治療薬のため、抜け毛が見られる場合はまず生活習慣を整える意識をもちましょう。
「6時間～7時間の睡眠を確保する」「栄養バランスの取れた食事を心がける」「適度な運動を習慣化する」など、髪と体に良い習慣を日々の生活に取り入れてください。
髪の毛の主成分であるタンパク質や、アミノ酸の再合成に必要な亜鉛、健康な頭皮環境を維持するビタミン類を積極的に摂取しましょう。
③ヘアスタイルを工夫する
初期脱毛の程度によっては、ヘアスタイルの工夫が効果的な場合があります。
軽度の初期脱毛であれば、髪を短めにカットしてボリュームを出すスタイリング剤を使うのも一つの方法です。
ただし、スタイリングを過度に行うと頭皮に負担がかかるため、ほどほどを意識しましょう。
以下に挙げる表も参考にしてください。
| 髪型 | おすすめな人 |
| ソフトモヒカン | 頭頂部が薄い人 |
| オールバック | 前兆部が薄い人 |
| 七三わけ | 生え際が後退している人 |
| ショートカット | 全体的に薄毛の人 |
④髪の毛や頭皮を触らない
初期脱毛が目立つと、不安から頭皮や髪の毛を頻繁に触ってしまいたくなりますが、余計な刺激を与えかねないのでやめましょう。
むやみに触りすぎると頭皮にダメージを与え、抜け毛を増やす可能性があります。
初期脱毛はフィナステリドの効果が現れ始めたサインでもあるため、過度に気にしすぎない意識が重要です。
それでも心配な場合は、担当医に相談しましょう。
初期脱毛はフィナステリド以外の薬でも起こる
AGA治療にはさまざまな薬が用いられます。
知っておきたいのは、フィナステリド以外の薬を使った場合でも、初期脱毛は起こりうる点です。
ここではAGA治療で広く用いられる「ミノキシジル」と「デュタステリド」の初期脱毛を、フィナステリドの初期脱毛と比較しつつ見ていきましょう。
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ミノキシジルの初期脱毛
ミノキシジルは血管を拡張することで、毛母細胞への酸素や栄養の供給を改善し、発毛を促進します。
DHTを抑制して脱毛を減らすフィナステリドやデュタステリドと比較して、初期脱毛が起こる確率が高いと言われています。
ただし、フィナステリドの初期脱毛と比べると目立たない場合も多いです。
フィナステリドによる初期脱毛は、ミニチュア化した毛が健康な毛に置き換わる過程で生じます。
一方ミノキシジルによる初期脱毛は、主に休止期の毛が成長期に移行する際に起こるためです。
ミノキシジルの情報はこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひあわせてチェックしてください！
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デュタステリドの初期脱毛
デュタステリドはフィナステリドと同様に5α還元酵素を阻害する薬です。
しかし、フィナステリドがII型のみを阻害するのに対し、ザガーロはI型とII型の両方を阻害します。
そのため、デュタステリドはDHT抑制効果がフィナステリドよりも強力で、初期脱毛の頻度や程度がフィナステリドよりもやや高くなる傾向があります。
フィナステリドの初期脱毛に関してよくある質問
最後に、フィナステリドの初期脱毛に関してよくある質問に回答していきます。
いずれも有益な情報なので、しっかりチェックしましょう。
今回は特に参考になる質問として、以下の4点を取り上げました。
- フィナステリドの初期脱毛が治らない場合はどうする？
- 初期脱毛は何度も起こる？
- 初期脱毛をなるべく抑える方法は？
- フィナステリドには初期脱毛以外にも副作用がある？
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Q.フィナステリドの初期脱毛が治らな場合はどうする？
A.担当医に相談しましょう。
専門医は初期脱毛の原因を特定し、適切な対処法を提案してくれます。
場合によってはフィナステリドの用量を調整したり、ミノキシジルなど他の治療法との併用なども提案してくれます。
初期脱毛に伴う精神的なストレスについても、ぜひ相談しましょう。
薄毛治療は長期戦なうえ、ストレスの影響を受けやすいです。
ストレスなくAGA治療を続けるためにも、専門医を頼るのがおすすめです。
Q.初期脱毛は何度も起こる？
A.1度で終わる場合がほとんどです。
初期脱毛はミニチュア化した毛が健康な毛に置き換わる過程で生じるため、一度経験すれば再度起こる可能性は低いとされています。
ただしフィナステリドの服用を中断した後再開した場合、再び初期脱毛が起こる可能性があります。
これは服用中断により毛周期が乱れ、再開後に毛が入れ替わる過程で抜け毛が増えるためです。
Q.初期脱毛をなるべく抑える方法は？
A.外用薬の使用がおすすめです。
有効成分が同じ場合でも、外用薬では副作用が少ないことがわかっています。
内服薬のように身体の内部から直接有効成分を取り入れるものではないためです。
一方で、効果も穏やかになりがちです。
即効性が期待できないため、目に見える効果が出るまでには時間がかかります。
外用薬だけでの治療は、長期間をかけて改善を目指す人には向いていません。
内服薬との併用によってより高い効果が得られるものと理解し、自分に合った治療法を担当医と見つけましょう。
Q.フィナステリドには初期脱毛以外にも副作用がある？
A.性機能障害やうつ症状、肝機能障害などが報告されています。
ただし、フィナステリドの副作用は発現率が低いため、過度に心配する必要はありません。
一方で女性の服用は認められていないので注意しましょう。
女性の場合、服用だけでなく皮膚からも成分を吸収する恐れがあるので、女性の手に触れないように保管してください。
フィナステリドの初期脱毛は過度な心配は必要ない
今回はフィナステリドの服用によって起こる「初期脱毛」について、詳しく解説しました。
フィナステリドに限らず、初期脱毛はAGA治療をする上でよく見られる症状です。
ミノキシジル、デュタステリドなど、他のAGA治療薬でも初期脱毛は見られます。
初期脱毛はヘアサイクルが正常に戻りつつある証拠なので、過度に心配する必要はありません。
むしろAGA治療が順調に進んでいる証拠と考えて、フィナステリドの服用を続けるべきです。
ただし、長期間にわたって初期脱毛が続く場合は、担当の石に相談して今後の治療の方向性を検討してください。